――例えばなんですが、こちらの大手町病院での臨床研修制度というものについて、一言で分かりやすく伝えるとしたら、どういったものになりますでしょうか。

山口:うーん、そうですね。「指導医や同僚と共に駆け抜ける2年間」みたいな感じじゃないですか。

――実に甲子園のような(笑)

山口:甲子園っぽいですかね(笑)

――「駆け抜ける」というあたりが。

山口:でも、高橋君もそうですけど、もう本当にずっと全力疾走で走り抜けるというイメージだと思いますね。ポイントは指導医と、あるいは同僚と共にというところで、大変なんですけど、それを一緒に頑張ってくれるスタッフや同期がいるというのがポイントで。だから、みんな頑張れると言ってますね、研修医は。

――研修医の方々同士や、指導医の先生方と一緒に飲みに行ったり、交流会など病院以外でもコミュニケーションをとったりされてるんでしょうか。

山口:そうですね。それは仕組みとしてはつくってないんですけど、自主的にやってます。忙しい中でも何とか飲みに行く時間はあるみたいですね。

――最後の質問になるんですが、これから、医師になりたいというふうに考えられている医学生の方などに先生自身の体験や経験的なところから、何かアドバイスやメッセージがあるとすればどういった言葉になりますでしょうか。

山口:ちょっと医学生向けに考えてみますかね。医学生向けに考えてみると、救急っていうのは、¨医療の原点¨みたいなところがあるんですよ。つまり、これだけ医療が細分化して、専門化してるじゃないですか。で、特にこういう北九州、福岡っていう都会だと、もうそれこそたくさん病院はあるんですよね。だから、現代の医療は専門化して、それ自体はいいことなんですけど、医者の首尾範囲がどんどん狭くなってきている時代なんですよね。でも救急っていうのは、そういう意味で医療の原点みたいなところがあって、すごく病気で困ってる人が駆け込んでくる場所なんですよね。なので、医師を目指す以上は一度そういう「医療の原点」の体験をしてほしいなと思います。

―なるほど。

山口:結局、ガンにしても、患者さんっていうのはどうもないこと、自覚症状がないこともあるわけですよね。「健康診断に引っ掛かりました。で、行きました。そうすると、ガンがありました。手術しましょう」っていうようなことが。要するに早期発見ができるようになったんですけど、患者さんってそんなに何も困ってないわけですよね。もちろんほっとくと困るわけですけど。ところが、救急っていうのは、今もう非常に困ってると。すごく身体的に苦痛が来て、で、良くなって帰っていくっていう場所なので。そういう意味で非常に分かりやすいですよね。だから、そういう高度化して医療が分かりにくくなっている時代で、救急はやはり医療の原点のようなところがあるので、そこをぜひ一度体験してほしいということになりますかね。