――では、はじめに米の山病院での研修の特徴からお教えいただけますか。

佐田:うちは、内科全般と外科と整形外科中心にやってます。
大牟田は高齢化がすすんでいる地域ですけれども、認知症という問題がやっぱりどうしても発生してきます。みさき病院というところで、認知症診療を2年の研修の内に、取り入れています。あとは、地域の診療所にも出て往診体験もやってます。

――地域医療というところに比重を置いての研修プログラム構成になっているということですね。

佐田:そうですね。内科研修、外科研修も一般的にうちの基幹病院でやっている研修は珍しい病気というよりは、救急で来られたり、外来で入って来られたりする方を、全部が全部というわけにはいきませんけれども、基本的には最初から見て、診断を最初からやっていくというプロセスが経験できるかなと考えています。

――まさに地域で活躍できる総合医を育てるというような方針なんですね。

佐田:特に2年間は厚労省も言っている通り、基礎的臨床能力ということを育成していくというのが目的になっています。専門医ももちろん必要ですけれども、地域の病院というところでといったときに、やっぱり総合医が必要かなということで。
専門医になる前にも、2年間で基礎的臨床研修能力を養うためのシステムというか、プログラムを重視しているということになります。

――先生が研修医の方を指導される際に、心掛けていることっていうのは何かありますか。

佐田:研修の本当の中身のところで言うと、やっぱり人に対してしっかり鑑別診断を行うっていうのがあるんですけれども、鑑別診断のスキルを上げて、それから前進、出発しようということに指導の中では気をつけるようにしています。

――コミュニケーションという部分では、いかがですか。

佐田:日常的に必ず研修医の先生と顔と顔を合わせて、毎日話し合うようにはしてますね。

――研修医の方がたとえば不安を持たれたり、疑問があったりした時に、先生のところにアドバイスが求めやすかったりだとか、そういった医局の雰囲気づくりっていうのは、何か工夫されている部分はありますか。

佐田:みんなで飲みに行きましょうという雰囲気はありますね。院外でも、僕だけじゃないですけれど、指導医レベルの医師がいわゆるプライベートでどっか飲みに誘ったりしてますね。

――それは意識的に?

佐田:意識的にですね。あとは、そうですね、何か行事があるときは一緒に行きましょうみたいな雰囲気とか、和気あいあいと話しやすい感じで、いろいろと声を掛けるようにしています。

――全体の中でそれは最初から、米の山病院が持っているそういう雰囲気なのか、それとも、指導医の先生方でそういうふうに意識づくっていこうというふうなのかは。

佐田:いや、それはもう恐らく雰囲気でやっていると思います。そういうふうに話しやすい環境にしましょうという、していないことがいいのか、悪いのかは別として、自然発生的にそういうふうにやってくれている先生がいますね。
指導医会議とか、事務局会議とか、そういうので話しやすい雰囲気をつくりましょうねっていうのは、逆に言うとあんまり話していないかもしれない。

――今度は先生ご自身のお話をお伺いしたいんですけれども、そもそも先生はまだお若いかと思うんですけれども。

佐田:うん、若いです(笑)

――まず医師を目指そうと思ったのは、どういうところから。

佐田:医師ねえ。僕も大牟田市出身なんですけど、やっぱり人の役に立ちたい仕事っていうのは、よく言われることですけれども、そういう気持ちが多々ありましたね。
人を助けて喜ばれる仕事って、すごく幸せな仕事かなあというところは、確かに出発点としてはあったかもしれません。

――今、何年目になるんでしょうか。

佐田:15年ですか。

――どうですか。15年やってこられて。やりがいというか、そこはもう全然変わらずモチベーションを持って続けて来られたんでしょうか。

佐田:そうですね。やりがいということで言うと、やっぱり元気になられた患者さんを退院させるような状況になったときは、すごく感じますね。それはもう間違いなく。こちらもうれしいし、患者さんも喜んでくれるしね。でも、一方では、ちょっとむなしさを感じるのは、やっぱりどんだけ頑張っても助からないという方を診るときは、ちょっと逆に無力さを感じてしまいますね。だから、いいことばっかりじゃないですけどね。

――こちらの病院では、患者さんの特徴として高齢者の方が多いですね。

佐田:そうですね。

――まさに地域医療が求められている地域だと思うんですが、地域医療って、何か一言で分かりやすく言うと、どういったものになるんですかね。

佐田:うーん、地域医療ねえ。

――はい。先生の感じる地域医療っていうのは。

佐田:やっぱり、一番には何かあったり、診療所で診れないとか、そういうところで「ここに飛び込んだら何とかなる」みたいな、期待していただいている病院であり、こちらの垣根のないというか、そういうところはあるかもしれませんね。

コンビニ受診とか言われますけれども、それとはちょっと意味が違うんですけど、何か本当に困って飛び込めるところかなと思います。大学病院とはちょっと違う。