――先生自身の受けられてきた研修と、今、研修医の方がすすめられている研修というのはなにか内容として大きく変わった部分というのはありますか。

近藤:いや、あんまり大きくは変わってないですね。っていうのは、自分は初期臨床研修制度が始まった1年目なんですよね。なので、ある意味制度上は同じ研修をしてるってことにはなりますし、あと自分が研修してた鹿児島の病院も指導医の先生がしっかりいらして、ちゃんと指導してもらえたので、そういう意味では自分の受けた研修と大きくは違わないんじゃないかなとは思いますね。ただそれよりももっと前の医者の育ち方と今は大きく違っていて、昔の「習うより慣れろ」というものではなく今はできるだけいろいろなことを事前に取り決めして安全にという研修に変わってきています。それは良いことだと思いますが、そうならざるを得ない理由もたくさんあります。理由の一つは研修の受け手側が大きく変化していることも一因かもしれません。今は一人一人の価値観があまりに多様化していますし、情報も氾濫していてすぐに手に入る時代ですから、ちゃんとルールを決めてやらなければいろいろな問題が発生してしまうのかもしれません。

――なるほど。次に先生自身の今後の目標や夢などを教えていただきたいのですが。

近藤:そうですね、自分のスキルアップはどうしても必要ですね。自分はあくまで総合内科なのでいろんな分野が得意ですが、とくにどの領域に特別強いというものも必要だと思っています。あとは上戸町病院を総合内科の分野でそれなりに地域のなかで認知されるような病院していきたいですし、自分自身が上戸町病院にこういう指導医がいるよっていうのを知られるぐらいの存在になれれば病院にとってもプラスになるかなと思っています。あとはやっぱり病院そのものの仕組みとか、やり方をもっと良くなるように変えていきたいですね。新しい考え方も取り入れながら、より病院の機能を高めてそれを維持できるように、医者の人事などのいろんなことがうまく回るようにしていかなければならないと思っています。

――先生自身がそう考えられるようになったきっかけは?

近藤:やっぱり、個人の力ってちょっと限界がありますよね。こういう医療がしたいって思って一人がどれだけ頑張っても、病院に所属しているわけですし。結局自分の理想の医療を実現するには、個々の力だけではどうしようもないので、やはり組織の理念だとか、システムとかそういったものを変えていく必要があると思うようになりました。まあ研修医のときには当然そんなこと全然考えてなかったんですけど、医者になって4年目で長崎に帰ってきて、その後いろんな役職とか、責任のある立場にもなって、その中で考えることは増えてきましたね。

――最後の質問です。今後、研修でどういう病院に行こうかな、と迷ってる方に対して、先生自身の体験的な部分から、アドバイスやメッセージがあるとすれば、どういった言葉になるでしょうか。

近藤:研修病院を選ぶのは、自分が医者として今後どういった働き方をしたいかっていうところに関わってくるかなとは思います。場合によってはそこで研修後も働くことになるかもしれないわけですしね。でもなかなか自分がどういうふうに働いていきたいのかっていうのは学生時代に明確なビジョンを持ちづらいんですよね。しかも仕事をしだしてからもなかなか具体的にはっていう子が多いので、そこはけっこう難しいですね。できれば学生のうちにいろんな経験をしてちょっと視野を広げたほうがいいのかなっていう気はしますけどね。バイトでも部活でもそれ以外の活動でもなんでもいいんですけど。それですぐ自分の進路が決まるというわけでは決してないんですけど、その中で少し物の考え方が変わってきたりとか、いろんな広い考え方ができるようになったりとかもしますし。医学にとらわれずいろんな経験をしたほうがいいかっていうのが一番ですかね。ちょっと答えになってないような気がしますけど。