研修医:上木

──最初の質問なんですが、まず、上木先生が医師を目指されたきっかけからお伺いしたいんですが。

「大きな病院か、小さな病院か」

上木:もともと弟が障害を持っていて、家族にそういう人がいることで自然に医療系のほうに興味が傾いていき、最終的 に医師を目指しました。

──そういう中で、なぜこの上戸町病院、民医連での研修医というのを始められたのでしょうか。

上木:極端に言うと「大きな病院で研修するか、小さい病院で研修するか」という考え方があると思います。私が学生時 代に実習をしてみて大病院だと、最初から¨勝負¨がついていることが多いと感じました。つまり、大病院の場合、他の中小病院から、紹介を されて来る患者さん多く、その時点である程度の診断がついていることがほとんどでした。
一方で上戸町病院のような中小病院の場合は、様々な主訴の患者さんが受診され、病歴から鑑別疾患をあげ、診察 や検査をすることで診断をつけていきます。
私としては、将来的に街で倒れてい る人に遭遇した場合に対応できたり、飛行機で「機内にお医者様はいませんか。」と言われて手を挙げたりできるような医者になりたいと思っ ています。その場合、患者さんは「私は○○の病気です」っていう看板をぶら下げているわけではないので、ゼロから診療がスタートするわけ です。
そういう視点で見ると、上戸町病院 のような中小病院では研修医も指導医とともに外来についたり、救急対応をしたりしますので、診断のついていない患者さんを多く診ることが できます。それで最終的に上戸町病院を研修先に選びました。

──もともと、上戸町病院を知ったのは、どういったきっかけだったんですか。

上木:大学の先輩に上戸町病院で研修される方がいて、その方からお話を聞いて知りました。

退院するところまで責任を持って。

──今、初期研修1年目ということですが、実際、研修されてみてどういった感想をお持ちですか。

上木:最初に思ったのは「入院してきた人を、退院して自宅に帰るところまで見届けられるな」ということですね。大病院の研修だと細分化された診療 科をローテートしていくので、1〜2ヶ月単位で次の科に異動していくことになります。そのため、担当患者さんを退院まで見届けることは難 しいようです。
上戸町病院のような中小規模の病院 の場合、内科は総合内科なので1〜2ヶ月で他の科に移ることはなく、受け持った患者さんを退院まで責任を持って診療することができます。 また、科が細分化されていないので、様々な臓器の疾患の患者さんを同時期に診療することができるのが魅力だと思います。

──戸町病院ではリハビリ設備やスタッフが充実していて、リハビリを行っている患者さんがたくさんいらっしゃるのですが、そういった患者さんとの触れ合う経験の中で、この道を選んでよかったなと思うようなことはなにかありましたか。

上木:現在、脳梗塞で入院されてきた患者さんを受け持っています。一般的には脳梗塞だと麻痺が残ってしまうというイ メージがあると思うのですが、この方の場合は、幸いにも比較的早く受診してくださったこともあり、入院当初にあった麻痺がリハビリをして いくことで、ほとんどもう元の状態に近いところまで回復しました。今度退院も決まったんですよ。「麻痺が残るだろうな」と思っていた患者 さんが退院できるところまで回復したのはうれしいですね。