研修医:杉野

──医師を目指したきっかはなんだったんでしょうか。

反骨精神でした。

杉野:私は、小学生のころから医者になりたいなというのを、漠然と思ってたんですよね。で、親が歯科医っていうのもあるから、もともと「先生」って言われる仕事っていいなって思っていて。ちっちゃいころは、普通にお医者さんになりたいとか思ってたんですけど、そういうふうに思ってたのは中学生までで。いざ高校に進むと、けっこう周りに優秀な人たちがたくさんいて、自分の成績が医学部目指せる成績じゃないって分かったときに、「私は歯学部でいいや・・」とか、なにかすごく嫌で失礼な考え方をしていて。だけど、高3の時の受験が駄目で、私は3浪で医学部に受かったんですけど、浪人を続けるに従って、自分の成績もそれなりに追いついてきて。これだったら、私が元々なりたいって思っていた「医学部、目指せるかな」っていう感じで。

──そこから目指すようになったんですか?

杉野:元々、なんで医者になりたいって思ったかというと、予備校生の頃に当時はまだ歯学部を目指していて、そのときに母親が大学病院に入院になったんですね。で、そんときの担当が研修医だったんですよね、女性の研修医で。その人がすごい自分には横柄な態度に見えて。「えっ、こんな人が医者になるん?」って、「私のほうが絶対うまくいくのに」みたいな。そんな反骨精神みたいな感じだったと思います(笑)

自分の周りの人を大切にすること

──これから医師を目指す方々になにかメッセージをいただけますか。

杉野:大切なのは「周りの人を大切にすること」ですかね。勉強するのは、もう前提条件であるとして。医者になって思うのは、患者さんとか、患者さんの家族とコミュニケーションを取ることがすごい大切だっていうことが分かって。やっぱり、すべての患者さんが最初から元気で、帰っていくときも元気で、「はい、よかったね」っていう患者さんだったらすごくいいなと思うけど、そういう患者さんばっかりじゃないので。

──やはり重要なのは患者さんとのコミュニケーションですね。

杉野:中にはすごい社会的問題も抱えている方もいて、その患者さんが何を思ってるかで、今後の展望が変わるときとかあるんですが、患者さんが本当はどういうことを考えてるのかとか、最初会った時は全然お話ししてくれなかったけど、ちょっとずつコミュニケーションが取れるようになってきて、最後の最後で本音を言ってくれたりとか、「あ、本当はこんなこと考えてたんだ」っていうことが分かってきたりして。そういう時に、「もしかして、今まで持ってた患者さんの中で私に何かすごい言いたいけど、言えなかったことがある患者さんとかいたんだろうな・・」って思うと、やっぱり、患者さんが何を求めて、何を私にしてほしくて、この病院にいるのかをちゃんと汲み取れるようになりたいなと思ったので、やっぱりコミュニケーション能力がすごい大切だと思うんですよね。

──それは勉強するだけじゃ身に着かないと?

杉野:ただ勉強ができて入ったきただけだったら、すごく大変な職業だと思うんです。ただ病気を治していけばいいという職業ではなくて、「人が何を考えてるか、何を求めるか」をすごい考えなきゃいけない職業だから。そういう意味で、自分の周りの人を大切にして、家族とか友達とか、そういった人が今何を考えてるかなあとか、そういうコミュニケーションをする能力が大切だって思います。