研修医:安東

大分を愛してくれる人をつくる。

――さっきおっしゃったように、目の前の患者さんだけではなく、ご家族、ひいてはその患者さんが抱えている社会的な背景だったり、そういうものも含めて目を向けていくっていうのが、地域医療の根幹だというふうに思うんですが、そういう地域医療の最前線で、病院が果たせる役割はなんだという風に考えますか。

安東:自分が今、一生懸命病院と一緒に成長していけているという実感があるので、もっといろんな治療を取り入れて、いろんな分野に目を向けていかなきゃいけないなと思います。まだ改善の余地がたくさんあると思うし。

これから多分、いろんな若い医師が入ってくると思うんですけど、そういう人をいかに地域に根差した意思に育てていくかっていうのも、今後の目標ではあると思うんです。

で、大分を愛してくれる人をつくるというか。あとは、社会人として、医師として、どういうスタンスで今後長い年数やっていくかっていうところもやっぱり指導しないといけないところだったり、一緒につくっていかなきゃいけないところだと思うので、技術とか知識だけではなくて、そういう人間性とか、視野の広い人間だったり、そういうところも含めて今後の課題かなというふうに思います。

――この地域の人、幸せですね。先生みたいな医師がいて。

安東:ははは(笑)

――ここじゃないと駄目なんだっていう意識の先生がいらっしゃるということがね。

安東:やっぱりそういうの、先輩の先生方がそういう仕事をされてきたからじゃないかというふうに思いますね。

――そうですね。

安東:確かにここの病院でできない治療や検査もあるし、大学とか県立病院だったり、そういう大きな病院に比べると不十分な治療っていうのも確かにあるんですが、それを他の病院でお願いして治療していただいた上で、また帰ってきて、こっちでちゃんと治療していきましょうねっていう治療協力関係が出来上がっているので、研修を行うにはとてもいい環境だなというふうに思ってます。

――すごくいい研修が送れてるという実感が、ご自分の中にあるということですね。

安東:はい、とても。

自分がどんな医師になりたいかを考えて選んでほしい。

――最後の質問になるんですが、これから医師を目指される医学生だったり、これから医師を目指すような人に対して、アドバイスやメッセージがあるとすれば、どういう言葉になりますでしょうか。

安東:私の場合は、自分が生まれ育った土地を選んで、今仕事をしてますけど、それぞれ、思いがある土地っていうのはあると思うんです。それが生まれ育った町だったとしても、大学が県外で、そこの土地にやっぱり愛着が沸いたっていうことであれば、そこでしっかり腰を据えて医療に携わってもらいたいなというふうに思ってます。
初期研修期間は、どんな研修を送って、その後、自分がどんな医師になりたいかまでを思い描いた上で、研修先を選んでもらいたいなというふうに思うんで、それぞれやっぱり、同期がたくさんいて、いろんな相談をしながら、その中でもまれて成長したいという人もいるだろうし、私のように一人で単身乗り込んでいって、ビシバシ鍛えられたいっていう 人もいると思うので、それぞれ自分のモチベーションや価値観、性格に合わせて、病院を選んでもらいたいなというふうに思います。

――研修医の方にお話を聞くと、「なぜこの病院で研修を決められたんですか?」って言ったときに、皆さんけっこう言われるのが、やっぱり「雰囲気がよかった」とおっしゃられるんですが、それって言い換えれば¨フィーリングが合う¨というような言い方だと思うんですが。

安東:最初はそれでいいと思うんですけど、いざ自分が選んで、研修して、絶対後悔しないような研修をしてもらいたいなと思います。それはもう自分で研修内容をやっぱりつくっていくものなので、その病院と相談をしながら、自分はこんな研修がしたいとか、こういうことを勉強したいんだとか。
初期研修の中で、やっぱり消化できなかったものっていうのは、その後、いろんな手段を取り入れながら、また、新しいところを選んでいくことになると思うので、ぜひ初期研修をフル活用して、研修期間はできるだけのことを吸収するようなところを選んでもらいたいなというふうに思いますね。