研修医:安東

大分で研修がしたかったんです。

──こちらの健生病院のほうで、なぜ研修をはじめられたんですか?きっかけは?

安東:きっかけは、まずは大分で研修をしたいというのが一つで、大分で研修をするとなると、大分大学で研修をするか、そのほか市中病院を選ぶかということになってくるんですけど、ここの病院から近いところに舞鶴高校って高校があって、私はそこ出身なんですが、まだ高校生だったときに、1日医師体験とか、そういういろんな学生向けの企画とかを結構やってくださっていて、それに参加したことがきっかけでこの病院を知ったんです。学生のときはどういう病院かとかいうのまでは、はっきりは分からなかったんですけど、何か自分の性格だったりとか、あとは価値観とか、どんな医者になりたいかとかいうことも含めて考えたときに、この病院は一番自分に合ってるんではないかなと思って選びました。

――じゃあ、高校生のころから医師を目指そうというふうに決められてたということなんですね。

安東:そうですね。

――それは、何か家庭の環境で医療が身近にあったとか?

安東:いえ、全然関係ないです。

――では、漠然とですか。

安東:そのときはもう漠然とですね。だから、大分を出ることはあんまり考えてなかったっていうのが大きいんですけど。大分で大学を選ぶってなったときに、自分のやりたいことで、教育学部とかには行くつもりはなくって、いろいろイメージして、自分がどんな職業に就くのかなと考えた時に、多分、漠然と「医師」っていうのが浮かんだんだと思いますけどね。

――それ、まさに初志貫徹ですよね。夢がかなったというか。

安東:受かってよかったなということです(笑)

――先生はこちらの健生会病院以外にも、研修っていうのは行かれたんでしょうか。

安東:もともと、大分市内、県内で研修をしたいという希望があったので、民医連内で移動して行ったのは、長崎での整形外科1カ月だけです。

――なるほど。先生は大分で育ちたいという思いを強く持っていらっしゃるということなんですけど、それは、いったいどこからそういう考えが来るんでしょうか。例えば、それは“郷土愛”というような言葉にあたりますか?

安東:郷土愛。うーん……なんでそう思い始めたのか、自分でも分かりませんけど、けっきょく生まれてからずっと大分を出たことがないというのもあったんですけど、いろんな人が大学にもいて、「県外に出てみたほうが面白いよ」とかいう話も自分で具体的にかみ砕いて検討して、それでも育ってきたところで自分が貢献したいという気持ちが大学のときもあって。それに、家族も含めて大分にみんな居るので、自分が何か家族の中でも役に立てることがあればな、というのが一つと。 あとは、自分が生まれ育った、慣れた環境のところで仕事をしたいというのが気持ちの中でとても大きかったと思います。

患者さんにも、自信を持って接することができる

――なるほど。そもそものきっかけが、こちらの健生会病院で「1日医師体験」などの企画からということなんですが、実際に研修医の立場として研修されてみて、研修の印象はいかがですか。

安東:大学とかと比べると同期もいないし、単身乗り込んできた感じの研修をしています。初期研修の最初は、実際、不安に思うことも多かったし、自分がどのレベルまでちゃんとできているのかとか、こういう研修の仕方でいいんだろうかっていう不安もなくはなかったんですけど、そういうことを考える余裕がないぐらい、忙しい最初の1~2年間でしたね。だから今思い返せば、初期研修期間というのはもういっぱいいっぱいだったので、そこで鍛えられたという感じがしています。だけど、全体にそれが自分にはとても合ってたんじゃないかなというふうに思うんですね。「もう後に引けない、前に進むしかない」っていう状況が自分にはとてもいい環境だったと思います。良く言えば、甘えることなく研修を送れたというか、私が目指すところには、とても沿った研修ができたかなというふうに思ってます。

――実地の中で育ってきたという自負という感じでしょうか。

安東:そうですね。

――指導医の先生方とのコミュニケーションだったりはいかがですか。例えば医局の雰囲気などは。

安東:私はとても気に入っています。アットホームっていう感じだし。ほかの病院も見学に行ったりとか、実習に行ったりとかしたんですが、いざ自分がこうやって研修して、ホームという形で比べてみると、何かとても落ち着くというか。仕事をしている環境がとても相談しやすい環境だし、本当に各科の垣根が全くないので。というか、もうほとんど科に分かれていない(笑)
どの先生に聞いても、いろんな答えが返ってきて、とても面白いなあ、というふうに思います。みんなで総合診療をやっているような感じですね。

――その“アットホーム”ということで言えば、それは、例えばこの病院が持っているナチュラルな雰囲気なのか、それとも大分県民の持つそういう風土がそうさせるのか(笑)。どういうふうに感じられています?

安東:いや、まず民医連っていう団体なので、人を育てたいとか、みんなで頑張りたいとか、地域の人々に貢献したいとか、そういう気持ちはたぶん各県いろいろな意思があるんだと思うんですけど。それを踏まえて、ここの先生たちはみんな健生病院で育ってきて、今も続けていらっしゃる先生たちなので、とても自分の病院に対する愛情が深いですね。

その中で自分もだんだん「自分の病院なんだ」という意識がやっぱり強くなって、患者さんに接するときも自信を持って接することができるというのがあります。

あとは、大きい組織の中の一人というよりも、各個人として、医師として確立して扱ってくれるというところがとても充実した研修を送れている一つの要因なんじゃないかなと思うんです。

――そこがまた、大学病院とは違った面ですね。

安東:違うと思いますね。

――科の垣根がないっていうのは、新鮮なことですよね。

安東:たぶん、大分の中ではここだけだと思います。全く分かれていないというのは。